母乳の分泌をあげるために必要なこと

 当院には、「母乳の分泌をあげたい」という方がたくさん来院されます。それではどうやって分泌をあげるのかについてお話したいと思います。それは作物が育つことと似ています。


まずはおいしいお米ができるまでに必要なことを考えてみます。
    ①お米の栽培に適した土壌
    ②土・水・お日さま、適した気候
    ③農家の方の管理
    

それと同じように、おっぱいの分泌をあげるためには
    ①乳腺の発育
    ②原料となる血液・その血行、母体の体力、赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激
    ③乳房のお手入れ

それらが必要になってきます。
詳しく説明しますと、

①乳腺の発育については、妊娠中、個人差はありますが胸が大きくなったり張ったりします。

②原料となる血液の供給は、良質の食事・適度な水分摂取で得られます。産後は出産の疲労・出血のため血行が悪く、身体が冷えている方がほとんどです。そのため冷えの養生が必要です。
赤ちゃんが吸う刺激は気持ちがよいもので、痛みがないことが重要です。赤ちゃんがおっぱいを吸うことで分泌に関与する(プロラクチン)ホルモンが上昇します。赤ちゃんが小さく産まれた場合や治療などで母と子が離れている場合、おっぱいを吸わせられないときは搾乳をします。

③授乳する際には、乳頭・乳輪が柔らかい状態で吸ってもらうことが重要です。そのため自分でするマッサージを授乳の前に行います。痛みのある授乳を継続しても、分泌はあがりません。おっぱいがたまりすぎて排出されずにいると分泌はあがりませんので、適度に搾乳も必要です。
専門の方にマッサージしてもらうことも効果的です。

これらのことをまとめますと
母乳の分泌に大事なことは 
産後より・・・

①冷えの養生をする

②痛みのない授乳を行う

③自己マッサージと適度な搾乳をする

④食事と水分摂取・休息をとる

⑤専門の方へ相談する


「実るほど、こうべを垂れる稲穂かな」 
当院は、ママと赤ちゃんの笑顔のために精一杯のお手伝いをさせていただきます。

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