乳頭保護器 本当に使わないといけないの?
~保護器の被害~
Aさんママ:「入院中からすぐに保護器を使って授乳を開始しました。だけど、子どもは保護器を嫌がり入院中は病院の電動搾乳器で搾乳を勧められました。しかし家に帰ってからは、搾乳はせずに、嫌がる保護器での授乳を行っていました。どんどんミルクの量は増え、おっぱいの張りはなくなり、保護器で与えることも苦痛になってきました。直接は全く吸ってくれません。」
Bさんママ:「産後からすぐに保護器を渡され授乳を開始しました。入院中からおっぱいはよく出ていたので完母で退院しました。産後2週間くらいで急に熱が出ておっぱいが痛くなり、乳腺炎と言われ薬を処方され、そのまた1週間後にはもう片方の乳腺炎になりました。」
Cさんママ:「産後からすぐに直接授乳ができなかったので、保護器を渡されました。2か月くらいになるとやっと直接授乳ができるようになったのですが、しばらくして片方が乳腺炎になりました。病院に受診して抗生剤を内服しました。その頃、直接飲ませると吸われる痛みがありましたが、吸わせないと治らないと言われ、痛みのある授乳を続けていました。しかし、その後熱を繰り返しおっぱいの赤みも減りません。専門の乳腺外科にいくと切開を勧められました。」
A,B、Cさんは、当院を受診される前の経過を教えてくださいました。すべてに共通していることは、保護器を入院中から使用されていることです。
Q本当に保護器が必要だったのでしょうか?
→おっぱいが張ってくる前であれば、乳頭と乳輪を柔らかくした状態で、子どもさんとのタイミングが合えば直接授乳は可能です。Q保護器はどうして乳腺炎などのトラブルが起こってくるのでしょう?
→乳頭にはおっぱいが出てくる穴が多数開いています。直接おっぱいを吸うとそれがうまく開口し、児がたまったおっぱいを吸って排出してくれます。しかし、保護器での授乳では正しい授乳状態でないため、うまく開口せずおっぱいがたまったままになり、乳腺炎になります。
Q保護器ではどうして子どもが嫌がることがあるのでしょう?
→おっぱいが出てくる穴が開口していないため、スムーズにおっぱいが出てこないため、児は吸っても出てこないため嫌がります。それから直接吸う場合とは違い、保護器では分泌は上がらない場合が多々あります。退院するまでに直接授乳ができずに保護器を使用されて授乳をされている方には、その後起こり得ることについて指導する必要があります。
例えばいつ保護器を外すべきなのか、保護器を嫌がる場合は搾乳を行うべきなのか、乳腺炎にならないための対処方法などです。
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