保護器使用時の注意事項

育児がようやく軌道に乗り、ママたちの体調も整ってきた、産後2か月過ぎ頃に当院を受診される方が多々いらっしゃいます。

「退院するときは完全母乳で行けるくらいよく出るおっぱいよ!と言われ、1か月過ぎてくらいからおっぱいを吸うことを嫌がりだし今は全く吸ってくれなくなりました」~入院中より保護器使用~

その原因の多くは「保護器による授乳」です。
保護器による授乳は直接授乳するときと比べて、子供の吸う刺激が乳腺に正しく響かず、飲み残しや、刺激不足で母乳の分泌が落ちていくことがあります。

産後1か月くらいで来院していただけると、まだ復活の兆しはありますが、月齢が過ぎていくと分泌はかなり落ちて、分泌を促すホルモンも下がっており、その復活は極めて難しい場合もあります。

保護器を使用するにあって注意していただきたいことがあります。

①使用する前には、乳頭・乳輪のマッサージを行って乳頭の伸びがよくなってから

  使用すること

②母乳の分泌が少ない間や、分泌が多くて飲み残しがある場合などは

  授乳以外にも搾乳を取り入れること

③なるべく早い段階で(1か月以内)直接授乳を試みること

④直接授乳がうまくできない場合や、直接吸わせて痛みがある場合は、なるべく 

  早く(1か月以内)に母乳外来専門の助産院に相談すること

産後1か月の期間はその後の母乳育児に大きく影響します。保護器の使用も、母乳の分泌・その後の母乳育児に大きな影響を与えます。どうぞ皆さまが、楽しい母乳育児の時間を過ごせますことを心より願っております。

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