母乳の分泌を左右する退院後1週間 



はじめて出産された方であれば、何がなんだかわからず過ぎていく退院後1週間。
実はこの1週間がその後の分泌を大きく左右する場合が多いのです。

Aさんは入院中からおっぱいの張りが強く退院するまでに母乳を飲ませたときの量が30gありました。退院するときはちょこちょこ飲ませればおっぱいだけで足りると言われ完全母乳で退院後1週間を過ごしました。

1週間後に体重測定に行ってみると体重は、退院時と横ばいです。ミルクを足すように指導を受けました。ミルクの量はだんだん増えて行き、1か月検診には母乳の後にミルクを毎回80ml足すようになりました。ほぼミルクの状態です。

退院するときは30g飲めていたのに、退院後1週間でAさんに何が起こったのでしょう?

Aさんのお子さんは、よく寝るお子さんでした。3~4時間おきに起こして飲ませていましたが、おっぱいをしっかり吸ってはくれず、数日おっぱいの張りは強かったもののその後はあまり張らなくなりました。

おっぱいの分泌をよくするホルモンは産後14日目にピークをむかえます。そのピークにうまく授乳ができていなければ、分泌はおちてしまいます。

Aさんの退院後1週間に行ったほうがよかったことは、
①搾乳です。そして、②1週間後の体重測定のときにおっぱいの状態を専門家に診てもらってマッサージを受けること
そのいずれかを行っていれば、1か月健診でミルクの量が80mlには増えていなかったはずです。

このようなおっぱいのケアの間違いは、しばしば起こる可能性があります。本来母乳育児が軌道にのるであろう人が、のらないのは退院後1週間の正しいケアが行われていないことが多いからです。


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