攻撃的な番組を視聴した7歳児、視聴しなかった児と比べて7倍もの攻撃的行動を示す
社会的学習(観察学習)とは、自分で行動するのではなく、他人の体験を観察すること(代理経験)によって生じる学習です。バンデューラはそれをモデリングと呼び社会的学習理論の中心に置きました。
「他人の行動を観察して模倣することにより、行動を獲得・修正・除去すること」と言い換えることもできます。
観察学習の対象は広く、テレビ・ゲーム・スマホ・書籍などで映像や言語によって表現された
行動も含みます。
子どもたちを対象にした最近の研究では、テレビの暴力番組を視聴することで、多くの子どもたちが攻撃的な攻撃的な行動をとりやすくなることを示しています。
例えば、パワーレンジャーというテレビ番組を観た7歳児は、観なかった7歳児よりも7倍もの攻撃的な行動を示した研究があります。青年期を対象にした研究では、暴力番組の視聴の多さが、他者への実際の暴力行為の増加と関連していることが示されています。しかしまた一方で、映像や書籍によって代理的に攻撃衝動や性衝動が解消されることにより、社会での行動化が抑制されるという意見もあります。
こうした攻撃行動にせよ、逆に他者を大切にする思いやり行動にせよ、私たちは観察学習を通して、新しい行動パターンを習得したり、すでに習得している行動を実行したり抑制することなど、さまざまな状況に適用される一般的ルールを学んでいます。
是非 そのことを理解したうえで、適切な情報や環境を大人である私たちは選び、同時に子どもたちの環境も整えていきたいなと思います。

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