生後すぐに赤ちゃんに直接授乳を行うことが、その後の母乳育児に大きな影響を与える!!



WHO/ユニセフの「母乳育児を成功させるための10か条」

その中の一つに
「●生後30分以内に、赤ちゃんに母乳を与えられるように援助しましょう。」
という項目があります。

分娩に立ち会った経験のある医療従事者の方であれば、生後すぐの赤ちゃんが、どれだけ覚醒(目を開けててまわりの様子を観察したり、手足を動かして元気に泣くこと)しているかはご存じだと思います。生後2~6時間もするとだいたい赤ちゃんは眠りに入るように静かになります。

この10か条のように、赤ちゃんがはじめて吸うものはママのおっぱいであってほしいのです。
この条件が勧められているには、しっかりとした理由があります。

当院を受診され、保護器を使って授乳されている方のほとんどが、

この条件を行わずに、産後1度も直接授乳ができていません。

生後1か月も過ぎて「直接授乳ができるようになってほしい」と受診される方たちが、可能になる確率は、月齢が過ぎていくごとにどんどん下がります。

生後すぐから直接授乳ができることは、実はその後の母乳育児に大きな影響を与えるのです。


だからこそ、理想としては出産後なるべく早いうちに、(ミルクの哺乳瓶を使用する前に)直接授乳を試みる必要があります。

はじめて出産される方、または乳頭が扁平・短乳頭などの方は、なかなか自分一人では直接うまく吸わせられないものです。だからこそ、医療従事者のお手伝いが必要です。

是非、直接授乳がうまくいかない場合は、介助をお願いしますと申し出てください。
医療従事者の方も、どうかすぐに保護器を使おうとせずに、おっぱいの張りが出てくる前に
必ず直接授乳ができるようにご協力をお願いします。

ママたちの幸せな母乳育児は、産後すぐに関わる医療従事者、皆さんの丁寧な関わりで、その後大きく左右されていることを心にとめていただきたいと思います。

どうか丁寧な関わりができるだけの人員の補充が、なされますようにと願います。

※未熟児や低出生体重で生まれた赤ちゃんは、その未熟さ、医療上の処置から直接授乳ができない場合もあります。そのような方には、搾乳をして、母乳を飲ませられるように配慮されている病院がほとんどです。

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